Q35 質問者:乗馬クラブ経営者
Answer
道産子を購入する事を検討しています。道産子の飼料について調べてみたら牧草を乾草させたサイレージが良いとの文献がありました。ただ、サイレージにも牧草を乾草させたもの以外にも、主原料が稲やトウモロコシのものなど、様々な種類があるようです。道産子の毎日のカイバにサイレージを与えるとしたら、どの種類のサイレージが適しているのでしょうか。
ご指摘のとおりサイレージにはさまざまな種類があります。一般にサイレージとは一定量の水分を保持させたまま嫌気的に発酵(酸素を遮断した状態で発酵)させた飼料のことをいい、牧草のほかトウモロコシや冬作麦類などのサイレージがあります。「牧草を乾燥させたサイレージ」とのことですが、これは牧草を刈り取ったのち1-2日予乾させてからラッピングなどをして嫌気発酵させた低水分牧草サイレージ(ヘイレージとも呼ばれます)のことかと思われます。低水分牧草サイレージはウマの嗜好性も良好で、完全な嫌気条件下で調整されたものであれば摂取後の消化管内で異常発酵することもありません。
したがって、肥満しやすい道産子馬の飼料として、良質の低水分牧草サイレージとヘイキューブの併用は栄養価の面から見ても適切と考えられます。一方、稲やトウモロコシを原料としたサイレージはエネルギー価が高く、肥満傾向にあるウマには逆効果となります。
(画像提供 公益財団法人・馬事文化財団 2点とも)