飼育管理のプロが答える

愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q66 疝痛になった馬への飼養管理について

Q66 質問者:乗馬愛好家

疝痛回復後の食餌管理について。
疝痛を発症し、絶食、鎮痛剤処置後、症状の改善が認められた場合の食餌の再開方法を教えてください。疝痛にさせない食事管理が一番重要なのは承知していますが、なってしまった場合、回復期の管理を教えて頂きたいです。

Answer

疝痛の症状改善後のカイバづくりのポイントは穀類を給与せずに青草や葉の多い乾草、給与前に水漬して柔らかくしたビートパルプやヘイキューブ等の消化し易い粗飼料を少量ずつ1日5-6回に分けて給与することです。

疝痛は飼養管理が原因で発症することもあり、注意することで疝痛リスクを減らすことが可能です。疝痛発症前に給与していた飼料と給与量(濃厚飼料を多給していないか、飲水量は充分か)の見直し、馬の健康状態(胃潰瘍の有無、歯の状態)を確認することも重要であり、飼養管理の中で見直すべき点があれば改善する必要があります。

また、疝痛によって馬体のボディコンディションスコアが低下することも考えられますが、穀類等で馬体のコンディションを戻すのではなく、植物油(1日300~400㏄程度)を水漬けしたビートパルプやヘイキューブなどに加えてエネルギー補給することが望まれます。その際に下痢などを引き起こしていないか健康状態を確認しつつ、常に新鮮な水を飲水できる環境を整備する。可能であれば引き運動をして、少しずつ時間をかけて発症前の飼料給与に戻すことが重要です。

疝痛症状改善後のカイバづくりについて記載しましたが、疝痛には様々な種類があり、それに応じた治療が必要になります。自己判断による飼料給与は症状の悪化や再発の恐れもあることから、かかりつけ獣医師の指示のもと給与をおこなってください。