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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q16 老齢馬の飼養管理

Q16 質問者:乗馬愛好家

今年で26歳の牝馬を所有しています。18年前に、自分の乗馬用として知人から競走馬を引き取って乗馬クラブに預けていました。性格も良く、今までずっと元気でいてくれました。ですが去年の冬に故障してからは乗馬としては卒業してもらいました。乗馬を引退した後は『今までごくろうさま』の感謝の気持ちから引き続き乗馬クラブで養老預託馬として世話をしてもらっています。夏から、少し食欲が落ちてきたようで、私が見ても外見が痩せてきたように思います。乗馬クラブの方が心配して獣医さんに見せてくれたのですが、病気などではないようです。もう老馬なのはわかっていますが、これからも出来るだけ元気で長生きしてほしいと願っています。年を取ったおばあちゃん馬が喜んで食べてくれるような栄養のあるエサをあげたいと思っていますが、何が良いか教えてください。運動は昼の放牧だけで今は特に何もしていません。カイバは朝と夕方に主に燕麦を少し、ふすまと大豆を少々、切り草と塩とカルシウム夜に青草、もしくはチモシー牧草を与えてもらっています。

Answer

高齢ということもあり、歯と消化管の機能はかなり低下しているものと考えられます。歯に偏ったすり減りがないかどうかを確認し、矯正の必要があれば実施すべきです。
飼料給与に関する対策としては、できる限り消化しやすく馬が好む飼料を1回あたりの給与量を少なくして回数多く与えること(1日に4回以上)につきると思われます。
飼料内容は、麦(エンバクや大麦など)少量(全量の10%あるいはそれ以下)のほかに牧草類(ヘイキューブ、チモシー、アルファルファなど)を主体とします。

ヘイキューブは、水や湯でふやかしてから与えることにより咀嚼を助け、タンパク質やカルシウムを手軽に補給することができるコストパフォーマンスの高い飼料です。
ヘイキューブの他には、アルファルファをサイレージ化したもの(商品名としてはファイバープロテクトというものがあります)も栄養補給と嗜好性、消化性の改善という面から効果があります。
また、アマニ煮は消化性を改善する作用があるのでエンバクや大麦などとともに継続して給与することが望ましいと考えられます。他には、整腸作用があるフスマを少量(上記の麦の一部に代え1日に3回程度に分けて)与えてもよいかもしれません。
その他にも、重量比でエンバクの約3倍のエネルギー価をもつ植物油を飼料に少量(1日あたり50-200mL程度)ふりかけることで飼料全体のエネルギー密度を上げることが可能です。あまりエサを食べない痩せた馬へのエネルギー補給としては効果の高い方法です。

青草(生草)は消化性の改善につながる可能性があるので、手に入る限り継続して給与した方がよいでしょう。これらに加え重要なことは、常時清潔な飲水ができるよう配慮してやる必要があります。