朝、馬房に入ると気づくのですが、愛馬は夜中の間にかなり敷き藁を食べているようです。止めさせたい、もしくは食べる量を少しでも減らさせたいと夕方のカイバを増やしてみたりしましたが、敷き藁を食べる量はあまり減りません。
何か良い対処法があれば教えてください。
馬は草食動物であり、日がな一日草を食べ続けたい動物であることを思い出してください。
同じ草食動物でも、牛は大きな胃を持ち多量に食べては反すう(胃から内容物を口に戻して再咀嚼する)しながら休息する動物であるのに対し、馬は身体のわりに胃が小さく、一度食べたものを戻すこともできません。
すなわち、空腹になりやすく、これを避けるためには繊維質が豊富な飼料(牧草)をいつでも食べられるようにしてやる必要があります。 敷き藁を空腹な夜中に貪るのは、そうした馬の生理的な欲求によるものなのです。
では、放っておいてもよいか?というとそうではありません。
そもそも藁は繊維質が多すぎ多量に食べると腸内容物をいたずらに増加させてしまうだけでなく、含まれているミネラル成分がアンバランスなため、競走馬のコンディショニングに重大な影響を与えてしまいます。
馬の生理的欲求と競走馬のコンディショニングを天秤にかければ、どちらが重要かは時と場合によります。
通常調教時は前者が、競走出走前は後者が重要と考えるのが一般的かとは思いますが、馬によってはコンディショニングに時間がかかり常時後者を重要視せざるを得ないケースもあると思われます。
そうした馬には、敷き藁に代えてウッドチップやウッドシェービングのような食べたくとも食べられない木質系敷料とする、あるいは藁は敷くが夜間は馬に口かごをして強制的に食べさせないようにする、といった対策が取られているようです。
いずれにせよ、夜間には馬が食べられるよう少量でも牧草を用意してやることは重要と思われます。