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愛馬の食事・カウンセリングルーム

Q1 大豆粕の適切な給与量

Q1 質問者:育成牧場スタッフ

タンパク質は筋肉を合成するのに不可欠な栄養素であり、そのためには大豆粕を給与した方がよいと聞きました。適切な給与量について教えてください。

Answer

大豆粕には良質のタンパク質が40%以上含まれているのでタンパク質の補強飼料としてはコスト面ならびに入手のしやすさから考えても優れた飼料です。したがって発育中の若馬や低質飼料給与時のタンパク質補給には有効な飼料です。しかし、配合飼料の質と給与量、アルファルファ(ルーサン)の給与量などの現在の給与飼料内容や運動強度によっては十分なタンパク質を摂取している可能性もありますで、大豆粕の給与は必ずしも必要とはいえません。一方、タンパク質の過剰摂取は余分な窒素を排泄するために多量の水分を必要(尿量の増加)とし、腎臓にも負担がかかるので注意が必要です。また、排泄される窒素由来のアンモニアにより馬房が汚染され呼吸器への障害も懸念されます。したがって大豆粕の適正な給与量は飼料全体のタンパク質供給量によって判断されます。ちなみに1歳夏頃の1日当たりのタンパク質要求量は920g程度、1歳秋から2歳冬頃の育成調教時では1100g程度で、放牧主体の管理が行われている時期は十分量のタンパク質が放牧草から得られていると考えられます。