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Q21 ポニーの飼養管理

Q21 質問者:専業農家

家でポニーを1頭飼うことになりました。エサの事など全くわからないので、教えて頂けると助かります。

Answer

ポニーは、競走用のサラブレッドや各種競技に用いられるクオーターホースをはじめとする乗用種と比較して
(1)馬体が小さく、ポニーと言っても品種によって様々
(2)運動量が少ない(日々のトレーニングを含め)
(3)ポニーはもともと太りやすい
などの特性があります。

一方、馬のライフステージ(発育時期、妊娠時期、泌乳時期など)による各種栄養素の要求量が変化することについては、ほかの馬と同様です。
たとえばエネルギーやタンパク質などの要求量は、泌乳時期>妊娠時期>=発育時期>維持(とくに運動をしていない成馬)の関係があります。

お尋ねのポニーの体重、ステージ、運動量については不明ですが、ここでは体重200㎏(ポニーの平均的な体重)の成馬、ライフステージは『維持状態』 として説明します。

一般論として、上記(1)については飼料総量(とくにエネルギー含量)、(2)についてはその内容に関わります。飼料総量は乾燥した飼料に換算して概ね体重の2%前後(体重200㎏の場合4㎏)を1日量の目安とします。飼料内容は、運動量が多いと飼料総量に占める高エネルギー飼料(穀類や配合飼料)の割合を上昇させますが、その量は最大でも半分以下とします。
しかし、ここでは強制的な運動はしていない維持の状態を想定しているので考慮の必要はありませんが、(3)を考慮して4㎏の乾牧草を中心とした飼料で様子を見ることをお薦めします。乾牧草はイネ科の牧草(チモシー乾草が一般的です)で問題ありません。
ある程度自由に食べさせ, 結果的に1日に4㎏食べることが理想ですが食べすぎるようなら1日数回(たとえば1㎏を4回)に分けて与えます。
これらの牧草のほかに、新鮮で清潔な水はいつでも自由に飲めるようにしておく必要があります。また、1日あたり20g程度の食塩を与えるか、自由に舐めることができる鉱塩(ミネラルなどを含有した食塩を主成分とするブロック)を設置して塩分を摂取させることが重要です。
こうした飼料給与で1-2週間ほど様子を見ますが、肋骨などが浮き出てくるような状態(痩せ)が観察されるようなら、チモシーの一部(10-20%程度)をアルファルファ乾草に置き換えます。