引退競走馬のサラブレット(26歳)を預かっています。現在は、昼間は放牧して牧場でのんびりと余生を送っています。食欲はしっかりありますが乾草は喜んで食べるという感じではありません。 エンバクなどの濃厚飼料は好んで食べてくれます。
馬体の肉付きが良くなく 毛艶も悪いです。 以前、ラップにくるんだ少し発酵した牧草をとても喜んで食べてくれました。 貴社で扱っている<ファイバープロテクト>は、高齢馬に与えても問題ないでしょうか?
また、与えてもよい場合の1日の量なども教えていただけますか。その他に高齢馬向けの配合飼料がありましたら教えていただけますか?
できれば、水分でふやかさずにそのまま与えられる配合飼料がありましたら教えて下さい。
ファイバープロテクトは、ルーサン(アルファルファ)牧草を発酵させた牧草サイレージで水分を50%含有しています。一般的に喜んで食べてくれる馬が多く、栄養価も高いことから高齢馬の栄養補給には最適な飼料と考えられます。
発酵飼料であることから消化管をこれに慣れさせるため、最初は1日に300-500g程度から与え始めて、2-3日置いて500gずつ増量していく方法が安全と考えられます。
最終的には1日に2㎏を与えて通常の乾草との併用給与を目標としますが、乾草をあまり食べないようであれば、ファイバープロテクトを1日に3㎏与えても問題はないと思われます。
これ以外に①乾草1-2㎏程度 ②エンバク1-2㎏程度を1日に与えることで、エネルギーやカルシウムをはじめ、おおよその必要な栄養素は補給できると考えられます。
これらを基本給与量として、馬体の肉付き具合の変化を見ながら、エンバク給与量を増減します。
高齢馬用の配合飼料としては、乗馬用の輸入飼料が少量流通しているようですが高価なものが多いようです。こうした高齢馬用配合飼料には表面に小さな穴が開いている多孔質のペレット型のものが多く、咀嚼(そしゃく)しやすいという特徴があります。
しかし、それも馬が好んで食べてくれなければ意味がありません。
愛馬は26歳。エンバクは好んで食べるとのことですから歯の問題はないと考えると、あえて高価な高齢馬用の配合飼料を与えるよりも、ファイバープロテクトと好んで食べてくれるエンバクを中心とした飼料給与で問題ないと考えられます。