大学の馬術部です。学内にある学生食堂から廃棄する野菜くずを馬の餌用に引き取ってもらえないか、という提案がありました。
平日は段ボール4箱分程度の廃棄する野菜くずが出るようなので、これを引き取って馬に与えれば食べ物をムダにすることもなく、需要と供給がマッチすると思っています。
以下質問です。
①そもそも馬に野菜を与えても健康面で問題はないですか?
②野菜の種類の中で、与えて良いもの、悪いものがあれば教えてください。ネットで見つけた良いもの悪いものリストを下記に記載しました。この分類で正しいですか?
③仮に与えて良いものがあれば、毎日の間食用としてプラスアルファのおやつという感覚で与えて良いですか?
④野菜を馬に与えて馬のメリットになる点はどのような点でしょうか?
与えて良いと思っている野菜
にんじん、セロリ、レタス、えんどう豆、さつまいも、かぼちゃ、りんご、バナナ、メロン、すいか、ぶどう、アプリコット、プルーン、柑橘類(オレンジ、ミカン等)、パイナップル、いちご、ベリー系(ブルーベリー、ラズベリー等)、洋ナシ、マンゴー、桃、ペパーミント
与えるのは良くないと思っている野菜
キャベツ、ほうれん草、ブロッコリー、カリフラワー、ケール、ねぎ類、たまねぎ、ナス、ビーツ、アボカド、アスパラガス
お問い合わせの件をすでに調べておられる内容に従い、問題がある(可能性がある)ものについては食べさせないようにするのがベストです。 それら以外のモノについては日常の給与飼料に混合する、あるいはおやつ的に与えるのは問題がありません。
ただし、いずれの食物であっても 「多量給与は避けて、ほどほどに」 という原則には従う必要はあると思われます。馬に与えるべきではないとされている食物でも、実際は一般的に給与されているものの何らかの中毒症状は認められていない例もあります。ですが中毒症状として表れていないだけであって、馬の体内ではわずかな異常が進行している可能性もあります。
たとえば、ニンニク(乾燥スライスニンニクであっても)はそれに含まれる成分が赤血球にある酵素の機能を抑制することによりハインツ小体貧血と呼ばれる貧血が発症する危険性が懸念されています。
しかし馬の給与実態においてニンニク給与は一般的です。 これに関し、過剰給与による貧血発症は確認されているものの、長期間による少量給与についての影響は定かではありません。
こうした実態に対し、少量の給与であってもわずかな貧血が進行している可能性が指摘され、与えない方が安全であるという見解が示されています。
また、柿やアボカドの馬における中毒は比較的一般的で、これらも給与は避けるべきです。リンゴの種にも少量の中毒物質が含まれるとされており、リンゴを与える場合は芯の部分を除いて与えた方が安全と言えます。
そして、与えても問題はないとされる果物であっても、桃のような種が大きな果物を丸ごと与えるのは
のど詰まりの原因となるので注意が必要とされています。
以上をまとめ、各ご質問に対する個別の回答は以下のとおりです。
①中毒物質が含まれていない特定の食物でなければ与えても問題ありません。学生食堂の廃棄物を馬術部が再利用するのは、画期的なシステムであり有効に活用していただきたいと思います。
②ネットで検索された内容は正しいと思います。トマトもナス科植物の一員として与えてはいけない食物リストに入れられています。また、あまり一般的な野菜ではないがルバーブ(食用ダイオウ)も馬、犬、猫に毒性があるとされています。
③給与は主たる飼料という位置づけではなく、おやつ的な感覚でよいと思います。
④少量給与という前提であれば、メリットはビタミンを含め栄養補給ではなく、調教後のご褒美的な意味で与えるのが良いと思います。