体重約100㎏の小型馬を飼育しています。寒暖差などの気候ストレスに特に弱く、軟便、下痢、疝痛、ボロが小さくなりすぎる。などの症状に対し効果のある飼料対策をお教えいただけたら幸いです。 ビオスリーなどの整腸剤の効果が見られず、先日<ヨーグルトと重曹が良い>と耳にもしましたが実施はしていません。
ヨーグルトと重曹がどのような働きをするのでしょうか?
小型馬にリスクがなく与えられるものがあればご紹介ください。また、そのような物があれば体重に対しての与える量なども教えてください。
ポニーに代表される小型の馬に対しては、基本的に牧草のみの給与でまったく問題ありません。
お問合せにある軟便や下痢などの症状は、大腸における水分保持機能に問題があることが多く、換言すると繊維摂取量が不足している可能性が考えられます。
ボロが小さいことも繊維不足が原因と考えられます。 牧草以外の飼料を給与すると、馬が自発的に摂取する牧草の摂取量が結果的に減少するため、それに比例して繊維摂取量も減少します。 繊維は大腸内で消化される際に熱を発生させるので、冬期間の耐寒にも貢献します。
ヨーグルトは疝痛常習馬に効果がある場合もありますが、大腸内の微生物叢(びせいぶつそう)に混乱を与える可能性もあり、一般的ではないのかもしれません。 また、弱アルカリ性物質の重曹は激しい運動をする馬の酸性化した体液を緩衝する目的で使用されることがありますが、整腸効果については不明です。
チモシーやイタリアンライグラスなどのイネ科乾草を自由に摂取させることが基本原則です。もし食べ過ぎて太るようでしたら体重100㎏の馬であれば、1日あたりイネ科乾草を2.5㎏とヘイキューブ(ミネラルとタンパク質補給の目的で)を0.2㎏程度給与することでおよその栄養素は充足できます。
高齢で歯が弱っている場合は、ヘイキューブの代わりに<アルファルファ乾草切り草>を与えるか、ヘイキューブを水でふやかして柔らかくしてから与えることが推奨されます。ポニーは元来太りやすいので、ボディコンディションスコアを定期的に測定してみることでその判断が可能です。
ボディコンディションスコア(馬体各部位の脂肪蓄積具合を触診により観察し点数評価する方法)については弊社のHPからも閲覧可能です。
≪馬術情報≫「愛馬のためのカイバ道場」のVol.4(2016年11月号)をご参照ください。